「遺産のすべてを妻何某にまかせる」、その遺言で大丈夫!?
昨今の終活ブームで「遺言の書き方」がテレビや雑誌で取り上げられることが多くなりました。その影響もあってか、私どもの事務所でも、自分で書いた遺言(=自筆証書遺言)を目にする機会が増えてきております。
この自筆証書遺言は、民法という法律によって作成方法が厳格に定められていて、全文(財産目録を除く)、日付、氏名のすべてが自署されていること、押印があることが要件とされており、このどれか一つでも欠けた場合には全体として無効となってしまいます。 (※過去の記事【自筆証書遺言に関する改正①方式緩和】もご参照ください。)
そして、次に重要なのは遺言の内容です。特に注意しなければならないのが遺言の文言でしょう。例えば、「遺産のすべてを妻何某にまかせる。」という文言を用いて遺言を書いた場合、どのように取り扱われるでしょうか。遺言者が亡くなった後、妻がこの遺言を使って不動産や預貯金の相続手続きをできるのでしょうか。
この「まかせる」という文言は、①遺産を与える、という意味にも取れますが、②遺産の手続きを任せる、という意味にも取れる、実に曖昧な表現です。この点、過去の裁判例では「『まかせる』という言葉は、本来『事の処置などを他のものにゆだねて、自由にさせる。相手の思うままにさせる。』ことを意味するにすぎず、与える(自分の所有物を他人に渡して、その人の物とする。)という意味を全く含んでいない」として、遺贈の効力を否定した例もあるようです。
同じように「讓る」「託す」「残す」といった文言ではどうでしょうか。 実務では「相続させる」や「遺贈する」という文言を用いるのが明確とされておりますので、それ以外の文言を用いた場合には、遺言者の真意が読み取れず、せっかく考えて悩んで書いた遺言なのに、それでは相続手続きができないとなってしまうケースもあるかもしれません。
遺言の書き方には他にも気を付けるべきポイントが沢山あり、本人だけでなく残されたご家族が後日悔いのないようにするためにも、ぜひ経験豊富な専門家に相談しながら作成することをお勧め致します。
私どもパートナーズ司法書士法人では、自筆証書遺言の作成支援をはじめ、公正証書遺言の作成支援など、遺言の作成支援事例を豊富に有しております。書くか悩んでいる方、書くとは決めていないけれど一度話を聞いてみたいという方からのご相談も承っております。初回のご相談は無料となりますので、ぜひ一度ご相談ください。